くにびき地区本部

のうさぎょうメモ ダイコンとホウレンソウの栽培管理

ダイコン(アブラナ科)/ 原産地は中央アジア、地中海沿岸、東南アジア

栽培のポイント

  1. 冷涼な気候を好み、一般的に耐暑性は弱いが耐寒性はあり、性質は強健である。一般的に生育肥大に対しては 20 ℃前後の気温が適する。
  2. 土壌の適応性は広く、ほとんどの土地で良く育つ。耕土が浅かったり未熟な有機物、石などがあると根が変形しやすい。
  3. アブラナ科の作物を連作などからホウ素欠乏症がでやすい畑ではホウ砂を 1 平方メートル当たり 1 グラム程度施す。

圃場準備と種まき

耕土の深い畑を選び種まきの半月前までに深く耕し 1 平方メートル当たり、完熟堆肥 2 キロ、苦土石灰 100 グラムを土とよく混和する。堆肥は前作で 十分施すか、早めに施し土と混和、塊があると枝根の原因となるので細かく砕土する。種まき 1 週間位前に有機化成肥料 150 グラムを施し畝幅 1 メートル位の 畝立てをする。8 月下旬~ 9 月中旬、条間 50 センチ、株間 25 ~ 30 センチ間隔に 1 箇所 4 ~ 5 粒点播きする。覆土はごく薄く 1 センチ程度行う。

間引きと追肥・中耕

1 回目は本葉 1 ~ 2 枚頃、2 回目は本葉 3 ~ 4 枚頃に奇形葉、異株、生育の極端に進んだ株 (岐根が多い) を中心に間引き、葉が触れ合う程度にする。追肥は除草・中耕と合わせて行い、生育を見ながら追肥する。生育初期に窒素の肥効を高め本葉 7 ~ 8 枚頃の生育を促進する。

病害虫防除

病気ではべと病の発生を見たら被害葉を処分し肥料を切れさせない。軟腐病はアブラナ科の作物の連作を避け、早播きをしない。発生したら被害株を処分する。害虫ではアブラムシ・コナガ・アオムシ・ヨトウムシ等、多くの虫が被害を与えるので薬剤を変え防除を行う。

収穫

生育が順調であれば、播種後約60日頃収穫するが、肥大の良いものから収穫し適期に収穫する。

ホウレンソウ(アカザ科)/ 原産地はコーカサス地方

栽培のポイント

  1. 冷涼な気候を好み、暑さには弱く夏に枯れて休眠に入る。
  2. 春にとう立ちして
    (1) 耐寒性は強く 0 ℃でも生育を続け、マイナス 10 ℃の低温にも耐える。高温に弱く、20 ℃なると生育不良となり夏は育てにくい。
    (2)土質の適応性は広くどんな土でもよく育つが、酸性土壌には最も弱く pH5.2 以下ではほとんど育たない。酸性土壌では葉が黄変し生育不良となる。
  3. 日長には敏感で、長日になると、とう立ちする。品種によって異なるので長日下ではとう立ちしにくい品種を選ぶ。
  4. 排水不良に弱いので、雨の後に水溜りができないよう畑の周囲の排水や畝立てをする。花は咲くが結実しないので繁殖は分球による。
  5. 若いとう (花茎) は収穫して茎ニンニクとして利用できる。

圃場準備と種まき

排水の良い畑を選び予め深く耕し 1 平方メートル当たり、堆肥 2 キロ、苦土石灰 150 グラムを土とよく混和する。土壌 pH は 6.5 から 7.0 の中性 に調整する。基肥は種まき 1 週間位前に 1 平方メートル当たり有機化成肥料 250 グラムを施し畝幅 60 センチ位の畝立て、排水の悪い畑は高畝とする。9 月上 旬~中旬、条間 10 ~ 15 センチの播き溝を浅く切り均一に条播きする。覆土は 1 センチ程度とし種子が土と密着するよう鍬の背で軽く鎮圧、切りわら等で軽く 覆う。乾燥させないよう播種前に十分灌水をする。種子を布袋に入れ 15 ~ 20 時間流水に浸漬すると発芽が良い。

間引きと追肥

1 回目は本葉 2 ~ 3 枚頃、2 回目は 4 ~ 5 枚頃に行い葉が触れ合う程度に間引く。最終的な株間は 10 センチ程度にする。追肥は間引き後に葉色を見ながら行い、除草を兼ねて中耕を行う。

病害虫防除

べと病は気温が10℃前後の頃、特に葉が多湿で風通しが悪い条件で発生しやすいので、発病を見つけたら発病株を抜き取りよく剤による防除を行う。又、葉の裏などにアブラムシが付きやすいので見つけ次第、薬剤による防除を行う。

収穫

生育の進んだものから順次収穫し、とう立ちしないよう早めに収穫を終わる。

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