つながるコラム「絆」 vol.100 浜田市 ・ 岩元進さん

いわみ中央区本部

失敗から始まったタマネギづくり

浜田市 ・ 岩元進さん

いわみ中央地区本部

水田園芸の一環としてタマネギ栽培に挑戦

指定野菜であるタマネギは、島根では出雲市の斐川など平野部での栽培が盛んです。浜田市の上府農事組合法人は大規模産地ではありませんが、反収で県下3位を誇ります。  上府地区では、高齢化が進む中、圃場整備をきっかけに令和3年に農事組合法人が設立されました。大型機械を使った効率の良い米づくりが始まりましたが、年間の収支が赤字になることが問題に。そこで県の普及員とJAのサポートで水田園芸をスタートしました。  担当することになったのは、同法人野菜部の岩元進さん。初年度は試験的にアスパラガスのハウスを建てましたが、完成してすぐに大風で倒壊。やむなく露地で始めるも、病気が発生し全滅してしまいました。組合法人のメンバーが落胆ムードに包まれる中、気持ちを切り替えて着手したのがタマネギです。

試行錯誤し収量アップ

専門の普及員が肥料選びや畝作りなどを徹底サポート。「長年米づくりをしておりタマネギは初めて。右も左もわからない中で実践しながら学んでいたので、とても助かりました」と岩元さん。最初の年は畝の高さ調整など定植時に手直しが多く、また肥料のバランス調整がうまくいかず、雨が多かったこともあり思うような収量になりませんでした。


そこで品種を晩生の「もみじ3号」から早生の「七宝早生」・中生の「ターザン」に変更。上府地区の環境に合ったこと、そして岩元さんたちの努力によって順調に育ちました。また2年目からJAが新しい乗用型の移植機を導入したことで作業がスムーズに。手押しタイプの機器を使っていた1年目より効率がグンと上がり、今では1ヘクタールの植え付けが1日で終わるようになりました。3年目からは整地や畝作りもほとんど手直しなしで終えられ、現在の収量は1年目の倍近い約5トンにまで増えています。


丁寧な世話で大きくしっかりとした玉に育てる

上府農事組合法人は、中山間地では珍しい水稲・タマネギ・キャベツの2年3作に取り組んでいます。タマネギとキャベツは連作をしないことで病気のリスクを低減。秋の稲刈りが終わった11月にトラクターで圃場を整地し、乾いた土を好むタマネギのために畝を高く作って定植します。冬場は消毒や追肥でケア。水稲のために圃場整備した土地で近くの川から水を引けるようになっているため、必要があれば簡単に灌水できるようになっています。

反収の高さとタマネギの質の良さを支えるのは、岩元さんの丁寧な仕事。毎日苗の状態を見て回ります。水稲用の暗渠排水に組み合わせているのは、畑の外周を四角い水路で取り囲む額縁明渠。土が乾燥しすぎていれば水路から水を引き込み、水抜けが悪くぬかるみそうなときは鍬を手にして臨時の排水路を作ります。岩元さんは「悩んだらJAさんと普及員さんが助けてくれます。私だけではなく、みなさんと一緒に作っているんですよ。本当にありがたい」と感謝を口にしました。  収穫されたタマネギの多くは、選別されてから斐川町にあるJAの調整施設に送られます。選別なしでそのまま買い取ってもらえるルートも開拓しようと、加工業者への出荷も進めています。現在は邑智郡の加工業者へも出荷。「選別していない収穫したままのタマネギをコンテナごと買い取ってくれますし、取りに来てもらえるので手間も輸送料もカットできます。非常に効率がいいですね」と岩元さん。今後も一定量の生産を続けながら、加工用のニーズにも応えていきたいそうです。



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